あなたならどう解決する?!【個人主義】

問題

部下側の状況

ある日本企業に、まりこさんは中途採用で財務部長に就任した。まりこさんは日本出身だが、18歳でアメリカに大学留学をし、大学院でMBAも取得してアメリカ企業の財務部にてキャリアを積んだ

まりこさんが今回日本企業に転職した理由は、グローバルに展開する日本企業で自分の経歴を生かしたかったことや仕事のポジションがキャリアアップにつながることだった。

上司側の考え

一方で、まりこさんの採用に積極的だった取締役のとしおさんも、まりこさんのキャリアが企業のグローバル戦略に役立つと考えていた。

管理職の中途採用も積極的に行っているし、女性推進も進んでいる企業のため、アメリカで教育を受けキャリアを積んだまりこさんをスムーズに迎えられると考えていた。

両者のすれ違い…

就任して数カ月の間に、まりこさんは財務部の現状をデータ化して、どのタスクにどんな人員が集まっているかを理解しようとした。

そして、上司であるとしおさんにそのデータを見せ「効率が悪く見える箇所はここで、このような仕組みに変えたら財務部の人員を一人削減できると思うがどうか?」と意見を聞いた。

としおさんは、あいまいな表情で「少し時間が欲しい」とまりこさんに伝えた。

その後、何度か催促をしたものの1カ月経ってもとしおさんからはっきりした意見のフィードバックがないことにまりこさんはイライラしはじめた。

そして、返事がNoであるなら人員削減はしなくてもいいから、タスク変更をして部内の効率を上げようと考え、該当する部下に指示を出し、自分の考えた変更案を進めた。

一方でとしおさんは、相談や承諾無しにまりこさんが部下のタスク変更を行ったことを知り戸惑った。

まりこさんから少し前に提案があった人員削減の件は、会社の人事にも関わるので慎重に社内で話し合いをしていたからだ。

財務部で働く人達が、まりこさんの一人で物事を決めるやり方に納得が出来ず不満が溜まってきていることも懸念していた。

まりこさんは仕事を効率よくこなしているし、経営会議でも積極的に疑問や意見を発言していたが、人間関係の構築にはあまり時間を割いていないように見えた。

実際、まりこさんは自分の仕事が終われば部下が残っていても帰宅するし、家から仕事をした方が効率が良いと判断した日は出社しなかった。経営会議の後の管理職の食事会に欠席することもあった。

ある日、としおさんはまりこさんとの面談で、もっと会社にいる時間を長くして部内の人間関係を築いてほしいこと、経営会議の後の食事会は大事な場なので出来るだけ出席してほしいことを伝えた。

まりこさんは、「会社にいる勤務時間で、部下の人達や他の管理職とも積極的に意見交換をしている。私の負っている仕事内容に十分見合う働き方をしていると考えているが、どう思うか?」と逆に疑問を返した。

としおさんは、予想外の返答に戸惑ってしまいすぐに返事をすることが出来なかった。

解決策