問題
韓国人のキム・ソジュンは、韓国のコンサルティング会社で8年のキャリアを積んだ後、グローバル規模のコンサルティング会社のニューヨーク本社に転職をした。
韓国で務めていた時には、残業も厭わず実直に成果をあげることで高い評価を得ており、英語力にも自信があった。
キム・ソジュンはニューヨークにて、アメリカ人のトーマス・ブラウンが率いるチームのメンバーとなった。
上司であるトーマスはにこやかにソジュンに話しかけ、親しくなろうとした。
ソジュンは、トーマスによく思われたくて、あまり笑ったり冗談を言ったりせず、謹直に仕事をした。
転職後3ヵ月が経ち、ソジュンは初めての評価をトーマスから受け取り驚いた。
そこには、「真面目に仕事をしているが、チームメイトとまだ打ち解けておらず、クライアントとも良好な関係を築くのに時間が掛かっているようだ」と書かれていたからだった。
ソジュンは、チームメイトともクライアントにも、韓国で仕事をしてきたのと同様に、真面目なプロフェッショナルとして接していた。
周りの人々が冗談を言ってくるのに戸惑うことはあったが、クライアントにベストな解決案を提供しようと、様々な角度から検証をしたプレゼンテーションを準備して、話を聞いてもらったばかりだったので、クライアントとの関係は良好だと信じていた。
評価にショックを隠せないソジュンを見て、トーマスは「もう少し肩の力を抜いたらどうかい。君の笑顔を誰もみたことがないと言っているし、もう少し楽しく仕事をしてほしいんだ。僕たちはロボットのチームではないんだからね。」と言った。
ソジュンは、自分のやり方の何が間違っているのか分からず、ニューヨークで仕事をすることに自信を失いかけていた。